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バスルームを出た俺は。


ジーンズとTシャツ姿だった。



さすがに、バスタオル一枚で出る訳にはいかないし、な……。



奈々美は。


スエットとTシャツという、リラックスした格好に着替えていた。


そんな、ラフな格好でも。


奈々美はキレイだった。



俺と奈々美は、ベッドに腰掛けて缶コーヒーを飲みながら。


笑いあって、くだらない話をした。



奈々美の、そんな明るさが。


逆に、奈々美の寂しさを浮き上がらせる。



「もう2時、か……。寝よっか、ひろ……」と、奈々美は微笑む。



狭い、ベッドの上に。


俺と奈々美は、並んで横になった。



「電気、消すね……」


フットライトの薄い灯りが。


うつ伏せになった奈々美の薄い肢体を、かすかに浮かび上がらせた。



「奈々美さん、俺さ。今夜、俺……。奈々美さんと……!」


そう言いかけた、俺の唇を。


奈々美が、人差し指で止めた。



「何も言わなくていいよ。……ありがとう、ひろ」


そう言って奈々美は、俺をギュッと抱きしめる。



俺は、奈々美の髪を優しく撫でながら。


このあと、どうすべきかと考えていた。



このまま、奈々美を抱いてしまおうか?


いや、でも……。



「何考えてるの?」と、奈々美がささやく。



俺は奈々美のキレイな瞳を見つめながら、こうささやいた。


「奈々美をもっと知りたいなってこと、さ……」