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そして、1987年4月。


大した気負いもないままに、俺は社会人になった。


入社式の日こそ、スーツを着たが。


翌日からは、ラフなスタイルで大丈夫だった。


学生時代と、全く変わらないような。


基本、ジーンズという格好だ。



俺は、サラリーマンにはなりたくなかった。


結果的には、バリバリサラリーマンになってしまった俺だが。


俺がイメージするサラリーマンとは。


毎日、スーツを着なければならない人、というものだった。


とにかく、よっぽどのことがない限りは。


俺は、スーツを着なくても良い仕事に就けたという訳だ。



会社に入ってからの数日間は。


挨拶や名刺交換の仕方、電話の応対などの研修や。


各セクションの業務の説明など、座学が目白押しだった。



社内の研修が終わると、今度はグループの研修があった。


さすがに、日本有数のメディアグループだ。


数百人の新入社員が、箱根に集められた。


そんな感じで、俺の社会人生活は始まった。



配属される10月までの間、俺たちは。


社内のいろいろな部署を、各一ヶ月ずつ研修で回るらしい。


それと平行して。


グループの研修として、ゴールデンウィークに代々木で行われるイベントと。


夏の晴海でのイベントにも駆り出されるらしい。