51
俺たちの映画は、無事に完成した。
俺と真希は。
それから、まるで何もなかったかのように。
仲間として、多くの時間を共に過ごした。
でも。
ふと、気づくと。
真希の視線が、俺を刺すこともあった。
でも、俺は。
そんな真希の視線に、気づかないフリをした。
そして、俺も。
同じように、つい真希を目で追ってしまう。
しかし。
それはただ、それだけのことだ。
このままで、きっと良いんだ。
俺は、そんな風に自分の気持ちにケリを着けた。
いくつかの、単位の取得が微妙だった俺は。
八代教授のお叱りを受けながら。
なんとかギリギリで、すべての単位を取った。
そんなこともあって。
俺は、卒業式には出られなかった。
というか、呼ばれなかった。
正式な卒業というわけではなく、4月1日卒業ということになったらしい。
とはいえ、別に就職には関係なかったのだが。
卒業式は、最初から出るつもりがなかった。
また、武道館に行くのが面倒だったし。
それに。
わざわざそんな場所に行かなくたって。
逢いたいやつには、いつでも逢える。
俺は、そんな風に気安く考えていた。