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俺たちの映画は、無事に完成した。



俺と真希は。


それから、まるで何もなかったかのように。


仲間として、多くの時間を共に過ごした。



でも。


ふと、気づくと。


真希の視線が、俺を刺すこともあった。


でも、俺は。


そんな真希の視線に、気づかないフリをした。



そして、俺も。


同じように、つい真希を目で追ってしまう。



しかし。


それはただ、それだけのことだ。



このままで、きっと良いんだ。


俺は、そんな風に自分の気持ちにケリを着けた。



いくつかの、単位の取得が微妙だった俺は。


八代教授のお叱りを受けながら。


なんとかギリギリで、すべての単位を取った。



そんなこともあって。


俺は、卒業式には出られなかった。


というか、呼ばれなかった。



正式な卒業というわけではなく、4月1日卒業ということになったらしい。


とはいえ、別に就職には関係なかったのだが。



卒業式は、最初から出るつもりがなかった。


また、武道館に行くのが面倒だったし。


それに。


わざわざそんな場所に行かなくたって。


逢いたいやつには、いつでも逢える。



俺は、そんな風に気安く考えていた。