48
俺は、苦労しながら恭子を立ち上がらせて。
ゆっくりと非常階段を下りる。
俺は恭子を、恭子の部屋まで時間をかけて連れて帰った。
ベッドに倒れ込むようにして、眠ってしまった恭子の顔を。
俺は、複雑な気持ちでじっと見つめた。
俺は、一体どうすればいいのだろう?
美佐と別れてしまえば、恭子は落ち着くのだろうか?
いや、それはそんな簡単なことではないのかもしれない。
一瞬、恭子は落ち着いたとしても。
きっと、何か別のことを理由にして。
きっとまた、酒を呑んで我をなくすに違いないのだ。
恭子の存在は、間違いなく。
今の俺にとっての重荷だった。
しかし。
俺は、恭子と一緒にいることを選び続けている。
俺は、恭子を愛してはいない。
そんな風に思うことで。
俺は、美佐への罪悪感を薄めようとした。
しかし。
本当は、俺は。
間違いなく、恭子を深く愛していたのだ。
一度眠った恭子は、当分起きない。
俺は、そっと恭子の部屋を抜け出して。
急いで、俺の部屋に向かった。
「……大丈夫だった、の?」
真希が不安そうに、そう言った。
俺は、ゆっくりと頷きながら真希にこう言った。
「……ごめん。迷惑掛けちゃったな。誤解は、解いておくから……」