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えっ?


俺は真希を抱きしめたまま、恭子を呆然と見る。


どうして、ここに恭子が?



恭子は。


俺の顔を冷静に、じっと見ていた。


そして、一瞬ニッコリと笑って。


ゆっくりと、俺の部屋から出て行く。



「真希、ごめん!」


俺は、真希に声を掛けながら。


恭子を追うために、部屋を飛び出した。



階段を静かに下りながら、俺は気ばかりが焦る。



恭子は、明らかに酔っていた。


恭子のあの目は、かなり呑んだ目だ。


そして。


そんなときの恭子は、いつもの恭子ではない。



恭子とは、美佐のことで良く揉めた。


俺には美佐がいることは、恭子は良く理解していた。



でも。


それを承知した上で、俺と一緒に居るとしても。


酔うと恭子は、そのことで俺を激しく責めた。



恭子と一緒に居るのは、正直辛かった。


でも。


俺が恭子に別れ話を切り出した、そのとき。


恭子は、俺の目の前で手首を切った。



幸いにも、カッターナイフの傷は浅くて。


大事に至らなかったことは、幸いだったが。



しかし。


「別れるなら、死んでやる!」


恭子のそんな言葉が、俺を縛っていた。



でも。


酔っていないときの恭子は、優しくて。


そんな恭子を、俺は大切にしたかった。



俺は、恭子を探して江古田の街を走る。


どこだ!恭子!