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そして、乗り越えるために、ただ必要なのは。


結局は、自分自身の気持ちの力でしかないのだ。



とは言え、独りで居るよりも。


やはり、ふたりで居るほうが楽で居られた。


それも、お互いに辛い気持ちを共有出来るやつと。



真希は酔うにつれ、さらに饒舌になった。


俺は、そんな真希を優しく見守る。



今の俺に出来ることなんて。


そんなことしか、無かったからだ。



俺は死に対して。


少し、冷めているのかもしれない。



近しい人間の死は、もちろん悲しい。


でも、自分自身の死に対しては。


俺は、わりと冷静だと感じていた。



もちろん、自分で死のうとは思わないし。


事故に巻き込まれないように、普段から気をつけてもいる。



でも。


もし、突発的な死なら。


それは、運命だと素直に受け入れるのだと思う。



もし、タイムリミットがある死が分かるとしたら。


俺は冷静に、そのときまでに、やるべきことをやる自信がある。



実際には、その時どうなるかは分からないけれど。


でも俺は、ずっとそんな風に思っていた。



そんな俺だから。


死というものに対して、ふつうとは少し違った思いがあるのかも知れないと自覚していた。



だから。


真希にかける言葉を考えあぐねて。


ただ見守ることしか出来なかったのだ。