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阿川が死んだあと。
俺たちの意識は、少し変わったのかもしれない。
死は、突然にやって来る。
そんなことは、みんな分かっていても。
敢えて、いつも目をそらしているのだ。
俺は、2年前のリカの事故死で。
そんな現実を、イヤというほど思い知らされた。
そして、また今回も……。
ただ、今回違ったのは。
阿川が自分から死を選んだ、ということだ。
それだけに、俺たちは。
阿川を止められなかったことを悔いた。
そして、阿川の死という現実を受け入れようとしたとき。
自分自身の今を。
見つめ直さざるを得なかったのだ。
真希は。
阿川と仲が良かっただけに、キツかったようだ。
普段の真希は、今までと変わらないように見えても。
やはり、いつも何かを考えているようだった。
俺たちの映画は、ポジ編集まで進んでいた。
この作業は、監督の仕事だ。
だから、基本的には真希がひとりで作業する。
真希のことが心配だった俺は。
なるべく真希の作業につきあった。
そんな、ある日のことだ。
夜遅くまで作業していた俺と真希は。
ふたりで呑みに行くことにした。
今日の真希は、やけに明るい。
それが気になったせいもある。