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そのとき、突然。


ユニットバスの扉が開いた。


真希が顔を出す。



げっ!


いきなり、真希と目が合った俺は。


動揺しながら、こう口走った。



「な、何か用?……真希?」


わぁ、何言ってんだ、俺!


これでは、明らかに挙動不審だ。



真希は、ちょっとびっくりしたような顔をして。


そして、ちょっとだけ頬を赤らめながら、こう言った。


「バスタオル、ちょうだい……見ちゃイヤだよ、ひろ」



俺は、ドギマギしながらバスタオルを真希に渡す。


扉から、わざとらしく顔を背けるようにして。



本当は。


扉を開けて、真希のカラダを見てみたい!



しかし。


それだけは、さすがにダメだ。



俺は、ドキドキしていた。


当たり前だけど。


やっぱり、真希は女なんだよな……。



真希が浴びる、シャワーの音を聞きながら。


俺は普段意識したことのなかった、そんなことを。


今更ながら、意識していた。



Tシャツと短パンに着替えて。


髪をまだ濡らしたままの真希が、バスルームから出て来る。



「ひろも浴びれば?シャワー……」


真希が、意味深に微笑む。



俺は、冷たいシャワーを浴びながら。


頭を冷やそう、冷やそうと努力していた。