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夏休みは、すべて映画の撮影でつぶれた。
俺は、3本の映画に関わっていた。
1本は、自分が撮影する作品だ。
題名は『CANON(カノン)』という。
撮影は、都内と千葉の館山の海で行った。
あとの2本は、撮影助手をやった。
それらの映画も、都内はもちろん。
軽井沢や静岡でロケをした。
つまり、3つのチームが協力しあいながら。
3本の映画を作っていくというわけだ。
俺は、女性の監督と組んでいた。
監督の森真希は、帰国子女で。
ちょっと、変わった女の子だった。
ちょっとエキセントリックで。
落ち着きなく、早口でしゃべる真希は。
俺には、かわいく思えた。
きっと、ウマが合うのだろう。
真希とは、3年生の時に作った映画でも一緒だった。
3年実習という課題作品だが、内容は全く自由で。
16mmの、本格的な映画を撮る。
そのときは、女子高生を主人公にした青春映画を撮った。
題名は『夏色モノクローム』という。
もちろん、モノクロの映画だ。
そのときから一緒だった、録音の石原幸子(通称、さっちゃん)も女の子で。
そのままのチームで、卒業制作もやることになった。
もともと、真希やさっちゃんとは。
1年のとき、真希が監督した映画に俺が出演したときに仲良くなった。