19


そんな感じで、俺と恭子の時間は過ぎて行った。



いつもは。


楽しくて穏やかな時間を、俺たちは過ごすことが出来た。



しかし。


恭子に酒が入ると。


事態は一変した。



恭子の酒癖の悪さは、異常だった。



家には帰って来ない。


誰か他の男と寝たり。


目の前で、何度も手首を切ろうとした。



その原因が、俺にあるのは分かっていた。


俺には、美佐がいたからだ。



酒が抜けると、恭子は俺に。


泣いて許しを乞う。



酔っていないときの恭子と。


酔っているときの恭子は。


まったくの別人だった。



俺は、もちろん。


自分自身の罪を感じていた。


恭子と一緒にいることが。


俺たちにとって、幸せではないことも分かっていた。



それならば。


俺は、恭子から離れたほうが良いに決まっていた。



しかし。


恭子は、酔うと必ずこう言った。


「別れるなら、死んでやる!」と。



俺は、そのことが何よりも恐怖だった。


そして。


普段の恭子を。


俺は、間違いなく愛していたのだ。



俺は、酒が呑めない自分が嫌だった。


そして。


そんな生活のなかで。


酒自体を、憎むようになって行った。



そして、ある日から。


俺は、一切のアルコールを口にするのを止めた。