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そんな感じで、俺と恭子の時間は過ぎて行った。
いつもは。
楽しくて穏やかな時間を、俺たちは過ごすことが出来た。
しかし。
恭子に酒が入ると。
事態は一変した。
恭子の酒癖の悪さは、異常だった。
家には帰って来ない。
誰か他の男と寝たり。
目の前で、何度も手首を切ろうとした。
その原因が、俺にあるのは分かっていた。
俺には、美佐がいたからだ。
酒が抜けると、恭子は俺に。
泣いて許しを乞う。
酔っていないときの恭子と。
酔っているときの恭子は。
まったくの別人だった。
俺は、もちろん。
自分自身の罪を感じていた。
恭子と一緒にいることが。
俺たちにとって、幸せではないことも分かっていた。
それならば。
俺は、恭子から離れたほうが良いに決まっていた。
しかし。
恭子は、酔うと必ずこう言った。
「別れるなら、死んでやる!」と。
俺は、そのことが何よりも恐怖だった。
そして。
普段の恭子を。
俺は、間違いなく愛していたのだ。
俺は、酒が呑めない自分が嫌だった。
そして。
そんな生活のなかで。
酒自体を、憎むようになって行った。
そして、ある日から。
俺は、一切のアルコールを口にするのを止めた。