16
「なんだよ、恭子。俺と一緒に寝たいの?」
掛け布団から半分顔を出した恭子が、恥ずかしそうに頷いた。
まったく、しょうがないな……。
俺は苦笑いしながら、恭子のそばに行く。
布団に入った俺は、天井をボーっと見ていた。
でも。
まずい、な……。
また恭子と、ふたりきりだ……。
このままだと、俺は。
また恭子を、抱いてしまいそうだ。
そんなことを考えていた、そのとき。
恭子が突然、俺の手を握ってきた。
「わぁ……、先輩の手って温かいね」
恭子は、そう言って微笑む。
かわいいとこ、あるな……。
今の恭子は、普段の恭子とは違っていた。
みんなに見せる顔と。
俺だけに見せる顔は。
こんなにも違うのだ。
俺には、そのことがとても嬉しかった。
「ねぇ、先輩……?」
恭子の言葉に、俺は右側を向く。
そのとき。
恭子の熱い視線が。
俺の視線に、絡まった。
「……恭子、ね。恭子、先輩のことが大好きだよ……」
恭子のそんな言葉に、俺の胸は一瞬痛む。
しかし……。
「……俺に彼女いるの、知ってるだろ?」
俺は、少し冷たい声を出す。
「大阪の彼女?それとも、エミさんのこと?」
えっ?
俺は、恭子の言葉に動揺していた。