15


「どうしたんだよ、恭子……」


俺は、それでも優しく恭子に声をかける。



恭子は、何も言わずに俺に抱きついて来た。


参ったな……。



俺は、とりあえず恭子を部屋に入れた。


ベッドに恭子を寝かせた俺は。


ベッドに腰掛けながら、考える。



相変わらず、美佐からの連絡はない。


そんな生活の中で。


俺は、エミと一緒にいることで寂しさを紛らわせていたのだ。



それは、エミにとっては不幸なことだったと思う。


だから。


エミが離れて行ったのは、当たり前のことなのだ。



俺は寂しくもあったが、実は少しホッとしていた。


その方が、エミにとっては幸せなのだから。



もし、このまま恭子を受け入れてしまえば。


結局、エミと同じになってしまう。



俺は、ベッドで眠る恭子の寝顔をじっと見た。



俺は、思う。


俺は、恭子のことを本気では好きにはなれないだろうな、と。



恭子は、俺の好きなタイプではない。


しかし。


恭子の態度からは。


俺に対する、ストレートな気持ちが良く分かった。


それだけ恭子は、俺のことを好きでいてくれるのだ。


そのことは、とても嬉しかった。


しかし……。



「……ねぇ、先輩。一緒に寝ようよ……」


そのとき恭子が、小さな声でそうささやいた。