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最後だと思うと、惜しくなる。


だから、俺は。


いつも以上に、激しくエミを愛した。



エミが、東京を離れるときだって。


こんな気持ちには、ならなかったのに……。



俺は、きっと。


エミとの関係に、甘えていたのだ。



エミは。


いつだって、俺の言うことを聞いてくれる。



もしかしたら、俺は。


そんな関係は、ずっと変わらないかもしれないと。


エミを離してしまっても、大丈夫かもしれないと。


そんな風に、考えていたのだ。



しかし。


もう、これで。


本当に、終わらせなければならない。



もし、エミと続けてしまったら。


結局、美佐と同じような女を。


遠距離恋愛の相手を。


もう一人、増やすだけだ。



そして、俺は。


どうしても、エミを。


美佐以上には、決して愛せないのだ。



俺は、エミを抱きしめながら。


エミと過ごした日々を、思い出していた。


エミと過ごした思い出は、決して消えはしない。



だから。


エミにとっての俺は。


出逢わないほうが良い存在では、なかったのだろうか?



しかし。


そんなことを思っても。


もう、どうでも良いことだ。



俺はエミの声を聞きながら、ゆっくりと目を閉じた。