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その部屋は、思ったよりも広かった。


やはり大阪や神戸よりも、広島は田舎ということか……。



俺は、大きなベッドに腰掛けながら。


そんな下らないことを、考えていた。



エミは、俺を見下ろすように立ち尽くしていた。


「……エミ?どうした?」


俺は、そんな風に優しくエミに声を掛ける。



「……もう、優しくしないでよ……」


エミは、そう言いながら涙を流した。



エミ……。


俺は、エミの気持ちが痛かった。



エミは。


割り切れない気持ちを、どうしようもなくて。



俺に逢って。


そして。


こんな場所に、来てしまったのだ。



「ひろ……。クリスマスしよう。最後のクリスマス……」



俺は。


今日でエミと。


本当に、最後にしようと覚悟を決めた。



ケーキも、シャンメリーもないけど。


俺とエミは、コーラで乾杯しながら。


最後のクリスマスを、楽しく過ごした。



ふたりで過ごした時間。


楽しかった時間は、決して消えはしない。



俺とエミは。


あの頃のように、自然にキスを交わしていた。



「……いいのか?エミ……」


俺は、エミの上に被さりながら。


エミの柔らかい耳たぶを、優しく噛む。


エミは。


返事をする代わりに、激しいキスを返した。