10
クリスマス、か……。
考えてみれば、去年のクリスマスも。
東京で俺は、エミと過ごした。
早めのクリスマスを、エミとやって。
俺は大阪でも、美佐とクリスマスをやったっけ。
金のない、俺とエミは。
小さなケーキとシャンメリーを買って。
エミの部屋で、ふたりだけのささやかなパーティーをやった。
「ねぇ、ひろ?あたし……。ひろと二人きりになりたい……」
エミは、そう言って少し寂しそうに笑った。
俺は少しの時間、考えていた。
二人きりって、いったい……。
俺はエミの顔色を伺いながら、こう言った。
「二人きりって、さ……。じゃあ、ホテルにでも、行く?」
エミは、ゆっくりと頷いて、こう言った。
「うん。連れて行って……」と。
店を出た俺たちは、手をつないで歩いた。
俺は、広島のラブホテルなんて行ったこともなかった。
確か、こっちにあったよな……。
俺たちは、海の方向に向かって川沿いの道を歩く。
しばらく歩くと、目の前にいくつかのネオンが見えてきた。
金はあるし、大丈夫だな……。
俺は、そんな現実的なことを考えながら。
ホテルに入ったあと。
いったいどうするべきか、と悩んでいた。