5
美佐とは、いつもそんな感じで逢う。
今度は、10日後。
東京に戻る途中に、俺はまた大阪に寄るのだ。
そして。
その次に逢えるのは。
早くても、ゴールデンウィークになるだろう。
もしかしたら。
夏休みまで、美佐とは逢えないかもしれない。
だから、俺は。
逢ったときには、徹底的に美佐を愛した。
だから、なのかもしれないが。
俺にとっては、美佐以上の女はいないんだ、って。
そんな風に、俺は信じることが出来た。
こんなに愛せる女は。
これから先も、他にいるわけがないって。
そのときの俺にとっては。
俺が愛せる、と信じることが出来ること。
そのことが、何よりも大切なことだったのだ。
俺は、広島の実家で年末年始を過ごした。
同じ広島にエミがいると思うと。
俺は、ついエミに電話をしてしまった。
エミに電話を入れながら、俺は思った。
俺は、間違いなくエミを愛していた。
しかし。
きっと、そばにエミがいたからこそ。
俺は、エミを愛せたのかもしれない。
長い呼び出し音のあと、エミが電話に出た。
「……久しぶりだね、ひろ。元気だった?」
思いのほか明るい、エミの声に。
俺は、少しホッとしていた。
「せっかくだから逢う?」と、エミは言った。