美佐とは、いつもそんな感じで逢う。



今度は、10日後。


東京に戻る途中に、俺はまた大阪に寄るのだ。



そして。


その次に逢えるのは。


早くても、ゴールデンウィークになるだろう。



もしかしたら。


夏休みまで、美佐とは逢えないかもしれない。



だから、俺は。


逢ったときには、徹底的に美佐を愛した。



だから、なのかもしれないが。


俺にとっては、美佐以上の女はいないんだ、って。


そんな風に、俺は信じることが出来た。



こんなに愛せる女は。


これから先も、他にいるわけがないって。



そのときの俺にとっては。


俺が愛せる、と信じることが出来ること。


そのことが、何よりも大切なことだったのだ。



俺は、広島の実家で年末年始を過ごした。


同じ広島にエミがいると思うと。


俺は、ついエミに電話をしてしまった。



エミに電話を入れながら、俺は思った。


俺は、間違いなくエミを愛していた。



しかし。


きっと、そばにエミがいたからこそ。


俺は、エミを愛せたのかもしれない。



長い呼び出し音のあと、エミが電話に出た。


「……久しぶりだね、ひろ。元気だった?」


思いのほか明るい、エミの声に。


俺は、少しホッとしていた。



「せっかくだから逢う?」と、エミは言った。