美佐は、イイ女だが欠点があった。


それは。


異常なほどの、筆無精だということだ。



美佐は、俺にほとんど手紙をよこさなかった。


俺が、手紙を書いても。


本当に、返事が帰って来なかった。



しかも、美佐は。


電話も、めったに寄こさない。



俺は、寂しかった。


それならば。


美佐と別れれば良い、と思うだろう。



しかし。


美佐は、俺に愛情がない訳ではないらしい。



逢ったときなんて。


俺は、美佐の愛を嫌になるほど感じることが出来るのだから。



俺は。


もちろん、美佐だけを愛そうとした。



しかし。


連絡もなくて、何ヶ月も逢えない。


こんな状態では。


付き合っているという意識が、希薄になる。



東京には、東京の。


大阪には、大阪の。


俺には、ふたつの現実がある。



そんな風に。


だんだんと俺は、考えるようになっていった。



しかし。


そんなことは。


俺の、自分勝手な言い訳だと。


俺だって、良く分かっていた。


しかし……。



あの夜。


俺は、近くにいてくれるエミの気持ちを。


ついに、受け入れてしまった。



俺は、心に痛みを感じながら。


エミと美佐を愛していた。