47 『まだ行って欲しくない、よね?』



久しぶりに逢った君は。


まず、ぼくの顔を見た瞬間に。


泣きそうな顔を一瞬して。



だけど、すぐに。


あの頃みたいな。


素敵な笑顔を見せてくれた。



「大丈夫、なの?」と、君は心配そうに訊く。



そんな風に、君が。


ぼくのことを、本気で心配してくれていたなんて。


申し訳ないけど、ちっとも思っていなかったんだよね。



だって君とは、もう……。



ううん。


ゴメンね。


ありがとう。



ぼくは。


本当に、幸せ者だと思う。



気がつくと。


君は、ぼくの手首をギュッと掴んでいたんだ。



うん。


ありがとう。


ぼくには、そのことが。


とても嬉しかったんだ。



でも、ね。


ちょっとだけ。



……痛い、よ(笑)




『まだ行って欲しくない、よね?』