37 『夏の終わりの始まり』
俺は、その日。
久しぶりに、その集まりに参加した。
時間が合うやつが集まって、一緒にランチを食べる。
ただそれだけなのだが、なぜかとても楽しい。
渋谷にある、その和食の店は。
なぜだか店内に、涼しげな小川が流れていた。
きれいな水が流れる、そんな小川を見ながら。
俺は、座敷に上がった。
そのとき。
「あっ、こんにちは!ご無沙汰してます!」
そんな風に、彼女は声をかけて来た。
えっと……。
誰だっけ?
確かに、逢った覚えはある。
だいたい、俺は。
きれいな女の子のことを、忘れたことなどないのだ。
でも……。
いつ逢ったんだっけ?
名前も分からないし……。
「すいません!前回、いつお逢いしましたっけ?」
こんなときは、素直に聞くに限る。
「あのぅ、この前の……」
そうか!
シャキーン~☆
俺の左目が輝いた!!
「あぁ、久しぶり。で、名前なんだっけ?」
彼女は、笑いながら自分の名前を教えてくれた。
始まりなんて、そんなものだ。
きっかけがあっても。
そのあとどう繋がっていくか、なんて。
もう、お互いの気持ちしだいなんだから。
だから。
君の目に映る俺が。
魅力的だと、いいな。
なんて。
そんなことを思った、8月最後の日。
俺は、再び彼女に逢えた偶然に。
まずは、感謝した。
『夏の終わりの始まり』
了