33 『バターサンドとチーズケーキ』
その日、ぼくは独りで函館にいた。
偶然登った函館山からの夜景は、とても美しい。
偶然にも、視界はキレイに晴れて。
クリアに、無数の灯りが眼下に見えた。
あの灯り、ひとつひとつに。
人と人との関わりが、きっとあるんだよね。
だから、ぼくは。
この景色を、君と一緒に見たいと思ったんだ。
次は、必ず君とこの場所へ。
一緒に。
ぼくは、東京で待つ彼女のことを考えていた。
そのとき。
メールが着信した。
彼女からだ!
お土産は、バターサンドとチーズケーキ。
それだけのメール。
ぼくは、函館山の展望台で独り苦笑いしていた。
『バターサンドとチーズケーキ』
了