31 『君にまた逢いたい』
その夜のパーティーは、ぼくにとって特別だった。
だって。
逢いたかった君に、初めて逢えるんだから。
六本木のその店は、パーティーの参加者で混雑していた。
でも。
ぼくは当たり前のように、君の姿をすぐに見つけることが出来たんだ。
ぼくは、ガラにもなく緊張しながら、君に声を掛ける。
「あっ、初めまして……」
そのとき。
ぼくたちは、同時にそんな風に声を出していた。
君はクスッと笑って、こう言った。
「いつも小説楽しく読んでいますよ」って。
それは。
今のぼくにとっては、最高のホメ言葉だった。
君は、ずっとブログでぼくの小説を読んでくれていた。
素直な感想をくれる君に、ぼくは逢いたくなっていたんだ。
でも。
遠くの街で暮らす君とは。
きっと、ずっと逢えないんだろうな、って諦めていた。
だから。
そのパーティーに君が来る、って聞いたとき。
ぼくは、迷わずそのパーティーに行くことを決めたんだ。
ぼくと君は、少しの時間だったけど。
心の深いところまで、きっと繋がるような話が出来たよね?
一緒に写真を撮ろう!ということになって。
君とぼくは、偶然に密着する形になった。
そのときぼくは、勇気を出して君の耳元で囁いた。
「君に逢いたくて来たんだよ」って。
君は、イタズラっぽく。
「もう、冗談ばっかり」と、笑った。
パーティーが終わって、君に別れの挨拶に行ったとき。
「逢えて、本当に嬉しかった!」って。
ぼくたちは、また同時に、そんな風に声を出していた。
ぼくたちは、顔を見合わせて。
そして、笑い合いながら。
ゆっくりと握手を交わした。
また、いつか。
ぼくは、君のキレイな瞳を見つめながら。
心の中で、そう言った。
『君にまた逢いたい』
了