30 『嫉妬』
あのさ、昨日の夜さ。
打合せっていうか、接待みたいになっちゃってさ。
行ったんだよ、キャバクラ!
生涯3回目だよ。
そりゃあ、さ。
酒呑まないから、さ。
まず、そんなとこに行こうっていう発想がない訳さ。
でね。
百戦錬磨のはずの俺が、珍しくドキドキしちゃったりしてさ。
慣れてないからねぇ。
あはは。
でさ。
隣に座った子が、ユキちゃんって言ってさ。
これがまた、清楚で可愛いんだよ。
21歳。
大学生?って聞いたら、昼間はOLやってるんだってさ。
でね。
なんかパグを飼ってるらしくて、犬の話題で盛り上がった訳さ。
あぁー、超楽しかったぁ!
たまにはイイね!
あぁいうのも。
死ねばいいのに!
アタシは、バカ正直なコイツに猛烈に腹が立っていた。
何でもかんでも教えてくれなくっても、イイっつーの。
でも……。
まぁ、いいか。
「へぇ、良かったねぇ!」
そう言いながら、アタシは。
ニッコリと微笑んだ。
ここは大人のオンナの余裕を見せよう!
でも。
机の下で、こぶしをギュッと握りしめながら、ね。
『嫉妬』
了