27 『再会』
夜になると、少しは暑さも和らぐ。
そんな、今日。
たまたま時間が出来た俺は、麻布十番のお祭りにやって来た。
しかし、すごい人だな。
まるで、満員電車のような混雑と異常な熱気に。
俺は、あの中に入って行くのがちょっとイヤになっていた。
……そういえば、彼女のオフィスってすぐ近くだっけか?
俺は、少し考えたあと。
約2年ぶりに、彼女にメールを送った。
彼女は、オフィスにいるのだろうか?
俺は、そんなことを考えながらケータイメールを打つ。
メアドは、変わっていないのだろうか?
あれっ?
送れた。
俺は、ホッとする。
彼女と最後に逢ったのは、そういえば同じ麻布十番だった。
サッカー日本代表の試合を、ある店でふたりで見た。
「また一緒に、サッカー見ようねっ!」
そう言って、別れてから。
逢いたかったけど、なかなか逢えなくて。
時間だけが、こんなに過ぎてしまった。
メールの返事は、すぐに帰ってきた。
「いまーす!是非来て下さい☆」
俺は。
彼女のケータイに、すぐに電話を掛けた。
「久しぶり!……えっと……近くまで来てるんだけど。どこ、かな?」
俺は、少しドギマギしながら彼女と2年ぶりの話をする。
「ねぇ、左見て。ビルの三階!」
その方向を、反射的に見ると。
あっ。
彼女だ。
ケータイを片手に、手を振る彼女がそこにはいた。
俺は。
そんな、彼女が。
とてもかわいく見えたんだ。
俺は、ケータイを切りながら。
急いで、彼女の元へと走る。
そのとき。
止まっていた、俺たちの時間がまた。
動き始めたような、そんな気がした。
『再会』
了