26 『ひまわりは、消えても/another version』


あの頃。


ぼくは毎日、たくさんの写真を撮っていた。



そして、君は。


ぼくが撮った「ひまわり」の写真が、とりわけ好きだと言った。



だから。


そんな写真に、ぼくはこんな詩を付けたんだ。



「ひまわり」

himawari

Leica M3 Summicron 5cm/f2.0 1998・夏



散歩の途中で見つけた、ひまわり畑。


頼りなげでいながら、それでも力強く太陽を目指すひまわりたち。


都会の中に切り取られた自然。


すでに、夏の終わりだった。




あれから、何回もの夏が巡った。



あの場所を、離れてしまってから。


ぼくは、このひまわり畑を見ることはなかった。



今日。


久しぶりの、夏の日。


この場所を、ぼくは独り訪れてみた。



そして。


消えてしまったひまわり畑に、ぼくはショックを受ける。



人と人は、離れてしまっても。


変わらない自然も、きっとあるんだ。



しかし。


そんな淡い期待は、やはり裏切られてしまった。



そんな気は、していたんだ。


だって。


あれから、何年もの時間が、経ってしまったのだから……。



でも、ぼくのそばには。


今でも、あの時の色鮮やかなひまわりの黄色を。


一緒に見に行った、彼女がいる。



そして、きっとこれからも。


ずっと……。




『ひまわりは、消えても/another version』