25 『ひまわりは、消えても』
あの頃。
ぼくは毎日、たくさんの写真を撮っていた。
そして、君は。
ぼくが撮った「ひまわり」の写真が、とりわけ好きだと言った。
だから。
そんな写真に、ぼくはこんな詩を付けたんだ。
「ひまわり」
Leica M3 Summicron 5cm/f2.0 1998・夏
散歩の途中で見つけた、ひまわり畑。
頼りなげでいながら、それでも力強く太陽を目指すひまわりたち。
都会の中に切り取られた自然。
すでに、夏の終わりだった。
あれから、何回もの夏が巡った。
あの場所を、離れてしまってから。
ぼくは、このひまわり畑を見ることはなかった。
今日。
久しぶりの、夏の日。
この場所を、ぼくは訪れてみた。
そして。
消えてしまったひまわり畑に、ぼくはショックを受ける。
人と人は、離れてしまっても。
変わらない自然も、きっとあるんだ。
しかし。
そんな淡い期待は、やはり裏切られてしまった。
そんな気は、していたんだ。
だって。
あれから、何年もの時間が、経ってしまったのだから……。
でも、ぼくは。
あの時の、色鮮やかなひまわりの黄色を。
決して、忘れはしない。
そう。
あの頃の思い出と、同じように。
ずっと……。
『ひまわりは、消えても』
了
