19 『相合い傘なんて、平気さ!』
朝起きると。
久しぶりに、雨が降っていた。
たまの雨って、気持ちいいよな。
涼しいし。
いつも雨だと、イヤだけど。
今夜は、やっとあの子に逢える。
駅で待ち合わせをして。
それで。
店まで歩いて……。
って、どうしよう!
もし。
夜も雨が降ってたら!
彼女と相合い傘で歩いたほうがいいのだろうか?
いや、どうかな?
でも。
別々の傘をさしてるってのも、なぁ……。
彼女とぼくは、まだまだそんな微妙な関係だから。
相合い傘だって、ちょっと恥ずかしいんだよね……。
その夜。
相変わらず、しとしとと雨は降っていた。
やっぱり、相合い傘だよな。
そうだよ、な……。
うん。
待ち合わせの時間ピッタリに、彼女は現れた。
ニッコリと彼女が笑顔を見せた、その瞬間!
えっ?
雨が、あがった。
ぼくは、ちょっとホッとしたような。
ちょっと、残念なような。
そんな気持ちになった。
でも。
ま、いいか!
「じゃあ行こうか?」
そう言って歩き始めたぼくの手を。
彼女が、突然握って来た!
へっ?
恥ずかしそうに、彼女はぼくをじっと見てる。
ぼくは、かなりドギマギしながら、きっとぎこちなく微笑んだんだと思う。
そのとき。
また、雨が降り出した。
だから、ぼくはもう……。
『相合い傘なんて、平気さ!』
了