14 『飛行機雲が消える前に』


真っ青な空に、ずっーと縦に伸びる飛行機雲。


空を真っ二つに割るように伸びて行く雲を見上げながら、ぼくはいま悩んでいた。



隣には、彼女が居た。


ぼくは、ハッキリ言うと彼女が大好きなんだけど。


でも。


果たして彼女は、ぼくのことをどう思ってるんだろうか?



ぼくは、もちろん自分に自信なんてない。


だって。


こうやって、女の子とデートするのだって、数えるほどしか経験ないし。


ましてや、自分からコクるなんて!


そんなこと、したこともないし!



いままでのぼくは、周りの友達が女の子と楽しく遊んでるのを、興味ないフリして横目で見てた。


ホントは、羨ましくって仕方なかったクセにね。



ぼくは、イザってときに勇気がないんだ。


いや、イザってときだけじゃなくて、いつもなのかもしれないけれど。



で、隣にいる彼女なんだけど……。


実は今日、いやさっき初めて逢ったんだけどね。



いままでメールでは、彼女といろいろ話をしてきたんだけど。


今日、ひょんなことから急にふたりで逢うことになっちゃって……。



ドギマギしながら彼女とふたりで公園にいるぼく、というシチュエーションってわけだ。



「……ねぇ。あんまり喋らなくてゴメンなさい。わたし、あんまり男の人と話すの馴れてなくて……」


ふーん。


こんなにかわいい子でも、そんなもんなのかなぁ?



ぼくは、そんなことを考えながら、飛行機雲をもう一度見ようと顔を上げた。


あれっ?


さっきまでハッキリとしていた飛行機雲が、ぼんやりと消えかかっていた。



そうか!


ぼくは、そのとき思った。


いま、伝えなきゃ!


だって。


ぼくと彼女のタイミングは、もしかしたら今しかないかもしれないのだから。



ぼくはいま、勇気を振り絞って彼女にコクるんだ!



ぼくは、彼女に告白するために。


初めて彼女の目を、じっと見つめていた。



『飛行機雲が消える前に』