11 『曇り空は、どうすれば晴れる?』


いつもより、かなり遅く。


やっとこさ、梅雨が明けたらしい。



とはいえ、今日も曇り空じゃん。



暑いのはイヤだけど、スッキリ晴れて欲しいよな、全く……。


俺は自分の心がスッキリしないのを、そんな曇り空のせいにしていた。



ホントは。


スッキリした天気になったからって。


俺の気持ちが、スッキリ晴れる訳でもないのに。



なんでこんなに俺の心がモヤモヤしてるのか、というと。



昨日アイツと、イヤーな別れ方をしたからだ。



いやいや。


別れ方っていっても、ホントに別れた訳じゃなくて。


昨日の夜、駅のホームでの話だけど。



花火を見た帰り。


ちょっとしたことから口ゲンカになって。



結局、お互い別々に帰った。



電話しようか?


でも。


やっぱ、シャクだし。



でも。


絶対アイツからは、かかって来ないだろうし。



ハァ……。


まぁ、しょうがない、か……。



俺は、いつものようにアイツに電話を掛けた。


そして適当なことを言いながら、結局はゴメン!って、俺が先に謝る。



「じゃあ、あとでね!バイバイ!」



俺は、やっぱアイツの声が好きだ。


とくに、機嫌が治ったときの。



開け放してあった窓から、空を見る。


やっぱり、まだ曇り空だ。



でも。


俺の心は、もう。


スッキリと晴れていた。



まぁ、いいか……。


俺は、苦笑いしながらアイツのところに向かって駆け出した。



『曇り空は、どうすれば晴れる?』