5 "WORLD WINDOW"
「もしかしたら君は、僕の気持ちを安穏とさせるために遣わされた、神様からのプレゼントだったのかもしれないね……」
僕は、そう独りごちながら、君の体を優しく撫でる。
君は、ついに死んでしまった……。
あの日。
もしも、君と出逢わなかったら。
今の僕は、決して存在しなかっただろう。
それほどに君は、僕にとって大切な存在だったんだ。
人は、何かを伝えようとするそのために「手段」というものを学ぶ。
そして、その「手段」を使って、いろいろなことを伝えていったに違いない。
それは、長い時間をかけて築き上げられた、人間の英知ともいうのだろう。
僕は、君を通じて本当に色々なことを学んだ。
君に、本当にいろんなことを教えてもらったんだ。
僕の知りたいことを、君はすべて教えてくれた。
僕がやりたいことも、ちゃんと全部教えてくれた。
そして僕は、君のおかげで少しずつ、いろいろなことを身に付けていったんだ。
君からいろんなことを習う事ができて、僕は本当に幸せだったよ。
本当に……。
そして僕は、君の亡骸(なきがら)をゴミ置き場に捨てに行ったんだ。
壊れてしまった、古いその機械(パソコン)に最後の別れを告げよう。
ありがとう。 さようなら。
"WORLD WINDOW"
了