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俺は大きくタバコの煙を吐き出しながら、IDOの携帯を開く。


一瞬見えた液晶の表示には、"winter"と出ていた。


冬子だ。



「……もしもし。あぁ、俺。いま何してる?」


「うん、今日は取材が早く終わったからこれから局出るところだよ」と、冬子は言った。


「赤坂か……俺、いま新宿にいるんだけど、ちょっと逢えないか?」


「……へぇ、どうしたの?珍しいね、ひろから誘ってくれるなんて……」


冬子は、そう言って楽しそうに笑った。


冬子のそんな言葉に、心が痛む。


しかし。


それは間違いなく、俺自身のせいなのだ。



俺と冬子は、渋谷で逢うことにした。



45分後。


俺と冬子は、道玄坂を少し上がったビルの7階にあるワインバーにいた。



……ラッキーセブンなんだよな、きっと。


真由子の部屋は3階だが、7階建てのマンションだった。


きっと、俺にとって今日の選択はラッキーなのだ。


そのときの俺は、そう思うことで。


少しでも、気を楽にしたかったに違いない。



二人用の個室のなかで、俺と冬子はテーブルを挟んで向かい合って座っていた。


冬子が白のハウスワインの入ったグラスを、俺のほうに差し出す。


俺は、ジンジャーエールの入ったグラスで受けた。


チンっ。


グラスが重なる音が、狭い個室に響いた。