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俺は、真由子に対して罪悪感を持っていた。


それは。


俺が、真由子のことをどうでも良いと思っていない証拠だ。


しかし。


このまま真由子と続けても、もう仕方ないのだ。



俺は、覚悟を決めた。


「……真由子、今日は話があって来たんだ。俺、もうお前に逢えない……」


俺は、そんな風にシンプルに話を切り出した。



今までは、こんな風に別れを切り出したことってなかったよな……。


俺は真由子にこんなことを言いながら、そんなことを考えていたのだ。



「……そっか。ちょうど良かった!……あたしも、もうひろさんに逢うのしんどいって思ってたし……」


そう言って、真由子はニッコリと笑った。



真由子……。


やはり、お前はいい女だよ……。



俺は、押しつぶされるような、キリキリするような痛みを胸に感じていた。


こんなにいい女を、どうして俺は愛せなかったのだろう?



失うと分かったとき、強烈に惜しくなる。


そんなもんだ。



俺は、自分に言い聞かせる。


俺は、麻里恵だけを愛する。


そのためには、麻里恵以外のすべての女との関係を絶たなければならない。


俺は、そう決めたのだ。



「ありがとう、真由子。頑張れよ、ずっと応援してる……」


そう言った俺に、真由子が抱きついてきた。


俺は、思わず真由子をギュッと抱きしめていた。