102
俺は、真由子に対して罪悪感を持っていた。
それは。
俺が、真由子のことをどうでも良いと思っていない証拠だ。
しかし。
このまま真由子と続けても、もう仕方ないのだ。
俺は、覚悟を決めた。
「……真由子、今日は話があって来たんだ。俺、もうお前に逢えない……」
俺は、そんな風にシンプルに話を切り出した。
今までは、こんな風に別れを切り出したことってなかったよな……。
俺は真由子にこんなことを言いながら、そんなことを考えていたのだ。
「……そっか。ちょうど良かった!……あたしも、もうひろさんに逢うのしんどいって思ってたし……」
そう言って、真由子はニッコリと笑った。
真由子……。
やはり、お前はいい女だよ……。
俺は、押しつぶされるような、キリキリするような痛みを胸に感じていた。
こんなにいい女を、どうして俺は愛せなかったのだろう?
失うと分かったとき、強烈に惜しくなる。
そんなもんだ。
俺は、自分に言い聞かせる。
俺は、麻里恵だけを愛する。
そのためには、麻里恵以外のすべての女との関係を絶たなければならない。
俺は、そう決めたのだ。
「ありがとう、真由子。頑張れよ、ずっと応援してる……」
そう言った俺に、真由子が抱きついてきた。
俺は、思わず真由子をギュッと抱きしめていた。