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俺は、麻里恵の意外な言葉に戸惑っていた。
麻里恵が、俺を拒否するなんて。
俺は、思ってもみなかったのだ。
「あたし、ダメなの。ごめんなさい!ごめんなさい……」
そう言いながら涙を流す麻里恵に、俺は何も言えなかった。
「……行ってらっしゃい!」
そう言って無理にニッコリと笑う麻里恵を置いて、俺は部屋を出る。
振り向いたとき、ドアはもう閉じられていた。
俺は、ワケが分からなかった。
どうしてだ!麻里恵……?
俺は割り切れない気持ちのまま、その日の仕事をこなした。
でも。
俺だって、バカじゃない。
冷静に、いろいろなことを判断すれば。
麻里恵には、何らか理由があるはずだって分かる。
間違いなく、麻里恵は俺のことが好きだろう。
しかし……。
もしかしたら、麻里恵は少し前までの俺と同じなのかもしれない。
きっと。
踏み切れない、何らかの理由があるハズなのだ。
俺は、麻里恵を諦めたくなかった。
そうするためには、俺は変わらなければならないのだ。
俺は、携帯から真由子に電話をする。
数コールで、真由子の携帯につながる。
「あぁ、久しぶり。活躍してるじゃん。うん、久しぶりに逢わないか……」