100


俺は、麻里恵の意外な言葉に戸惑っていた。


麻里恵が、俺を拒否するなんて。


俺は、思ってもみなかったのだ。



「あたし、ダメなの。ごめんなさい!ごめんなさい……」


そう言いながら涙を流す麻里恵に、俺は何も言えなかった。



「……行ってらっしゃい!」


そう言って無理にニッコリと笑う麻里恵を置いて、俺は部屋を出る。


振り向いたとき、ドアはもう閉じられていた。



俺は、ワケが分からなかった。


どうしてだ!麻里恵……?



俺は割り切れない気持ちのまま、その日の仕事をこなした。


でも。


俺だって、バカじゃない。


冷静に、いろいろなことを判断すれば。


麻里恵には、何らか理由があるはずだって分かる。



間違いなく、麻里恵は俺のことが好きだろう。


しかし……。



もしかしたら、麻里恵は少し前までの俺と同じなのかもしれない。


きっと。


踏み切れない、何らかの理由があるハズなのだ。



俺は、麻里恵を諦めたくなかった。


そうするためには、俺は変わらなければならないのだ。



俺は、携帯から真由子に電話をする。


数コールで、真由子の携帯につながる。


「あぁ、久しぶり。活躍してるじゃん。うん、久しぶりに逢わないか……」