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次の日。


早めに仕事が終わった俺は、このあとどうしようかと考えていた。



明日は休み、か。


冬子や真由子と逢うのも、なんとなく気が重かった。


携帯のアドレス帳を見ながら、俺はどうしようかと考える。


麻里恵にでも電話してみる、か……。


俺は会社を出たところで、麻里恵の携帯に電話をした。


数コールのあと、電話がつながる。


「はーい、こんばんは!さっそく電話くれるなんて嬉しいな!」と、麻里恵は楽しそうに笑った。


つられて俺も、楽しくなる。


「何やってんの?今どこ?」


俺のそんな質問に、麻里恵はこう答えた。


「……来る?いま家にいるよ……」


「……そっか。いま会社出たところ。……じゃあ、行くね」


俺は、少しドキドキしながら電話を切った。



10分後。


飲み物やケーキを買った俺は、麻里恵の部屋があるマンションの前に立つ。


いいとこ住んでるなぁ……。


真っ白い外壁のマンションは、まだ新築ぽい感じがした。


4階建ての小じんまりとした建物だが、高級感がある。



211だっけ……。


俺は、階段で二階へ上がった。



麻里恵の部屋の前に立つ。


俺は、ひとつ深呼吸をして呼鈴を押した。



この扉の先には、新しい何かがある。


俺は、そのときそんな気がしていた。