48


俺と弥生は、間接照明にした薄暗い俺の部屋の中にいた。


革張りのソファーにふたり並んで座りながら、俺は弥生の肩を抱く。



正月以来だから、あれからもう、3ヶ月という時間が経ったわけだ。



あのとき。


俺は、弥生を受け入れようと思ったはずだ。


しかし。


結局、俺は少しずつ弥生から逃げていたのだ。



「ごめんな、弥生。俺は……」


そう言った俺の唇を、弥生が自分の唇で塞ぐ。





俺は、ゆっくりと目を閉じる。


気持ちのコントロールは、ちゃんと出来る自信があった。


だから。


キスまでは、弥生の好きにさせても良いだろう。



俺の唇から唇を離した弥生は、俺の首筋に優しくキスをする。


……!


ヤバいって、それは!



俺は、自分の体が素直に反応することに恐怖を覚えた。



いや。


ダメだ。


俺は、弥生を抱かないと決めていた。


抱かないで、ちゃんと弥生の気持ちを受け入れること。


それが出来るならば、俺は栞の呪縛から逃れることが出来るかもしれない。


俺は、そのときそんな根拠もないことを心のより所にしていたのだ。



だから。


俺は、いま甘い罠に堕ちる訳にはいかないのだ。


俺は、ゆっくりと弥生の体を押し戻しながら、かける言葉を選んでいた。