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俺は、真由子が時折見せる表情やしぐさに、ある種の陰を感じていた。
きっとこの子も、何かを抱えているんだろう。
いや。
逆に、何かを抱えていないヤツなんていないのかもしれない。
「オイオイ、ずいぶん楽しそうだな。仲良くなっちゃって」
そのとき、タケシが俺たちのそばにやって来て、そう言った。
「あぁ、まあね」
俺は、そう言いながら真由子の肩を軽く抱いた。
「うん♪仲良くなっちゃった!」
真由子は、俺に抱きつきながら、楽しそうにそう言った。
真由子が、耳元でささやく。
「ねぇ、お願い。イヤじゃなかったら、連絡先教えて」
俺は、真由子をそっと離しながらこう言った。
「あぁ。喜んで」
タケシは、俺たちふたりのやりとりをニヤニヤしながら見ていた。
「良かったろ、来て?」と、タケシが笑った。
「おぅ。ホントにな」と、俺も笑った。
俺と真由子は、お互いの連絡先を交換して別れた。
「また、すぐに逢ってよね」
そう言って真由子は、原宿駅のホームで手を振った。
俺は今、次から次にいい女に出逢っている。
しかし。
残念ながら、俺はいま、女を愛そうという気がなかったのだ。