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そんな感じで、時間だけがムダに過ぎていく。
そのうち。
季節は、いつの間にか春になっていた。
「……いいから、おまえも来いよ。満開の桜に可愛い女の子。来ない理由なんてないだろ?」
タケシから、久しぶりに電話がかかってきた。
ちなみに、タケシは高校時代のバンド仲間で、俺の数少ない友人のひとりだ。
タケシは、音楽系の専門学校を卒業したあと、あるタレント事務所に入ってマネージャーとして活躍していた。
タケシと俺は、お互いに忙しいこともあって、もう2年くらい会ってない。
「分かったよ。代々木公園?あぁ、了解!」
めんどくさい、な……。
俺は、そう思った。
でも、まぁいいか。
その日。
代々木公園は、花見客でごった返していた。
「オッス!久しぶり!」
タケシが、ニヤリと笑う。
「おう!元気か?」
俺も、ニヤリと笑う。
やはり、気を使わない友達っていい。
仕事がらみの関係だと、どうしても損得とか、会社の力関係が影響する。
つまりは、本当の友達にはなりにくいというワケだ。
そういった意味でも、タケシの存在は俺にとって貴重だった。
「どーよ、最近?」
「あぁ、まぁまぁだな」
お互いにそんなことを言い合いながら、俺たちは笑い合った。