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俺と冬子は、ふたりで鍋をつつく。


冬子は、日本酒を熱燗でやっていた。



まったく、この女は……。


俺は、苦笑いしながら鍋に箸を伸ばす。



旨い!


薄味だが、だしが効いた白菜と豚肉のシンプルな鍋だ。


やっぱり、白菜って旨いよな……。


突然で恐縮だが、俺の一番好きな食べ物は、チョコバットだ。


今日の白菜は、チョコバットと同じくらい旨かった。


っていうか、それってやっぱり変かな?



そんなことを考えていた俺に、冬子がこう言った。


「ねぇ、大丈夫?こんなこと言うと怒るかもしれないけど……。なんか、元気ないよ」



俺は、お玉でアクを取りながら答える。


「……怒るわけないじゃん。せいせいしてるさ、俺は」


俺はただ、チョコバットと白菜のことを考えていただけなのだ。



しかし。


やはり、元気なく見えるというのだから、きっとそうなんだろう。



陽子のことを、簡単に忘れることなんて無理だ。


だとしても。


俺には、もうその気がない以上、陽子とのことを悲しんでも仕方ないではないか。



それよりも、今は冬子だ。



俺は、冬子の目を見つめながら、こう言った。


「もし、俺が元気なさそうに見えるんなら、責任をとってくれないか?」


言ってる俺自身、ムチャクチャだと分かっているが、知ったこっちゃない。


冬子の小首を傾げる姿が、俺に火を点けていた。