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「まずは、乾杯!わたしたちが、出逢った奇跡に!」
そう言いながら、冬子は白ワインのグラスを高く上げた。
俺は、苦笑いしながらジンジャーエールのグラスを重ねた。
冬子は、少し酔ってるに違いない。
俺は、お通しの筍の煮物に箸をつけながら、考えていた。
さて。
このあと、どうしようか?
俺は、カウンターの左どなりに座った冬子を見る。
冬子は、さっきからずっと、俺の顔を見つめていたようだ。
冬子の視線が、熱い。
これは俗にいう、目から光線が出ている状態だ。
いわゆる、抱いて!光線だ。
参ったな。
俺は、陽子と付き合ってから、浮気をしていない。
こういったシチュエーションが浮気と言われれば、それまでだが。
「なぁ、ひとつ聞いてもいいかな?」と、俺は冬子に言った。
「うん!何でも聞いて!何でも話しちゃうから、今日は!」
今日は、か……。
冬子は、はしゃいでいたが、なぜか寂しそうに見えた。
仕事のことか、男のことか……。
それはよく分からないが、きっと何かあったに違いない。
俺は、冬子の肩をポンポンと叩きながら、こう言った。
「元気出せよ!とりあえず、今夜は俺が話を聞いてやるからさ」
そのとき。
冬子は、ニッコリと笑って、俺の左手を優しく握った。