25
「ホントに24だよ。良くウソだ、って言われるけど、ホントだよ」と、弥生は言った。
「ふーん……」
俺は、顔を近づけながら、弥生の顔をまじまじと見た。
俺と弥生の、視線がぶつかる。
「ヤダ、ひろさんやめて。恥ずか……!」
俺は、その言葉を止めるように、つい弥生の唇を奪ってしまっていた。
弥生は、気が抜けたように、俺の顔を見つめていた。
ついつい、キスしてしまった。
まぁ、いいか。
俺は、弥生に向き合ってもう一度、今度は、ゆっくりとキスをした。
どんな理由があるのかは知らないが、弥生は二十歳そこそこに違いない。
自慢ではないが、俺は人の年齢を当てることに、けっこう自信があった。
「なぁ、弥生。何でそんなに大人に見られたいの?……いいじゃん、本当の自分を出せば」
俺のそんな言葉に、弥生は、やっと本当のことを話す気になったらしい。
俺は、コーヒーを口に運びながら、弥生の告白を待つ。
「ごめんなさいっ!本当の歳は……」
「本当の歳、は?」
「もうすぐ、17……なの」
へっ?
俺は、まるでマンガのように、口からコーヒーを吹き出していた。
マジかよ?
「も、もしかしてヘビ年かい?干支…」
俺は、マヌケなことにそんなくだらないことを聞いていた。
自分でも分かるくらい、動揺している。
一回り違うじゃん。
しかも、まだ高2かよ!
キスしちゃったし!
「あ~あ、もう仕方ないなぁ」
弥生は、そう言いながら、楽しそうに吹き出したコーヒーをティッシュで拭いていた。