23
目を覚ますとそこは、俺の部屋だった。
ん?
なぜか、左手に重みと温かさを感じている。
意識がはっきりとするにつれ、隣に寝ている女が弥生だということに気づく。
あれから弥生は、結局俺の部屋までついて来たのだ。
とにかく眠かった俺たちは、なんとかロフトまでハシゴで上って、そのまま眠ってしまったという訳だ。
目覚まし時計を、見る。
針は、午後1時14分を指していた。
俺は、すぐそばにいる弥生の顔を、じっと見つめた。
スースーと寝息を立てている弥生を、愛しく感じていた。
きっと弥生は、素直で真面目な子なのだろう。
何があったかは分からないが、弥生は、ひとりであのバーに現れた。
そのときの様子を見ても、俺には弥生が悪い女には思えなかった。
だから。
俺は、弥生を抱かなかったのだ。
少し痺れている左手を、弥生の頭の下からゆっくりと抜く。
そのとき、弥生がゆっくりと目を開けた。
「……あっ。お、おはようございます!」
弥生は、かなり動揺しているようだ。
弥生のそんな姿も、とてもかわいい。
俺は、微笑みながら弥生にこう言った。
「心配しなくても、何もしてないよ……まだね」
弥生は、頭の良い子だ。
「あははっ。まだ、かぁ~」
そう言って弥生は、とてもかわいい笑顔を見せた。