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相変わらず、陽子からは電話がかかってきていた。


俺は、正直まだ陽子に逢いたくなかった。


しかし。


ちゃんと決着をつけなければならないし、決着をつけたい。


陽子の部屋に置いてある俺の荷物も、持ってこなければならないだろう。



以前、恭子のときは、俺の荷物すべてが宅急便で送りつけられたっけ。


陽子は、いくらなんでも、そんなことはしないだろう。



俺は、陽子と別れるつもりだ。


浮気か本気か知らないが、陽子は他の男と寝た。


それ自体も、もちろんアタマにくるが、結局は俺から心が離れたということだ。


俺には、それが我慢できなかった。



そんな思いを抱いたまま、1994年が明けた。


俺は、年末年始も東京で仕事をしていた。


仕事をしていれば、陽子のことも忘れられる。



そういえば、ここ数年、正月にも広島に帰っていない。


久しぶりに帰ったのだって、じいちゃんの葬儀だったくらいだ。



陽子はきっと、秋田の実家に帰省しているのだろう。


いずれにしても、陽子が帰ってきたら、話をつけるつもりだ。



俺は、真夜中の首都高に黒いポルシェ944を走らせる。


正月の、しかも深夜の環状線はガラガラだ。


カーコンポからは、ツェッペリンのセカンドが流れていた。