13
俺は、夢を見る。
奥尻島の青苗で見た景色。
立ち上る、煙。
くすぶる、炎。
そして。
体育館に並べられた、遺体。
そこには、何も出来ない俺がいた。
自然に対して、人間は無力だ。
そう感じた瞬間、俺の足元が大きく割れる。
地震だ!
俺は、自分の寝返りでさえも、地震が起こったと感じて目を覚ました。
そんなことが、数ヶ月経ってもまだ続いていた。
東京に帰ってきたとき。
羽田から会社に戻る途中の首都高で、俺は思った。
タクシーから見た、東京の景色。
もしも、この街で同じことが起こったとしたら…。
俺は陽子に、できる限りの災害対策をするべきだ、と話した。
陽子は、分かったと言うが、きっと全然分かっていないのだろう。
俺と陽子は、そんな感じですれ違い始めていた。
そして、決定的なクリスマスが来た、という訳だ。
俺は、また女に裏切られてしまった。
しかし。
それは、仕方ないことだ。
俺が悪いのかもしれないが、女なんて所詮そんなものだ。
俺は、刹那的な夜を過ごすために、街に出る。
人間なんて、いつ死ぬかも分からない。
そして、信じていても裏切られる。
俺は、本当はそう考えたくはなかったのだ。
しかし。
今は、そう考えるようにした。