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陽子は、まだ仕事中のはずだ。
家には、いないことは分かっていた。
でも俺は、陽子の声が聞きたかった。
そして、俺の無事を伝えたかったのだ。
数コールのあと、陽子の声で応答メッセージが流れてきた。
…ただいま外出しています。メッセージをお願いします!
ほんの一週間なのに、陽子の声が懐かしく聞こえた。
「…もしもし、俺。いま函館まで帰って来たよ。心配かけてゴメン。…話したいことがたくさんあるんだ。また、あとで連絡するから…」
俺は、早口でそう言って、電話を切る。
開いた携帯電話を閉じながら、俺は少しホッとしていた。
会社を出た俺は、そのまま陽子の部屋に向かった。
とりあえず、明日は休みだ。
池袋駅を出た俺は、歩きながら陽子に電話する。
ケータイで確認した時間は、午後11時を少し回っていた。
「もしもし?陽子?」
「…ひろ。お帰りなさい」
陽子の声は、元気がなかった。
俺は、少しガッカリしていた。
いつもなら、もっと喜んでくれるはずなのに…。
俺は、そのとき何か違和感を感じてしまったのだ。
その時から俺たちは、今までとは少し違ってしまったのかもしれない。