陽子は最近、まったく家に帰っていないのかもしれない…。



別々に夜を過ごすときも、俺は必ず陽子に電話を入れていた。


しかし。


最近、陽子と連絡が取れない夜がほとんどだったのだ。



俺は、確かに最近、陽子に対する興味が薄れていたのかもしれない。


昔の俺なら、しつこく連絡が取れなかった理由を聞いたはずだ。


俺は、きっと油断していたのだ。



陽子は、いつも優しく俺を包んでくれた。


細かいことは気にしないし、でも俺には自然と気を使ってくれる。


陽子は、最高の女だ。


しかし俺は、それをいつの間にか当たり前のように感じてしまっていた。


そして、陽子はずっと俺のことを裏切らない。


過去のトラウマを忘れたい俺は、盲目的に陽子を信じようとしたのだ。



クリスマスの明け方のことだ。


仕事が終わった俺は、タクシーに乗って急いで陽子の部屋に向かった。


クリスマスプレゼントは、一粒ダイヤのペンダントを選んだ。


小さいダイヤだが、陽子はきっと気に入ってくれるだろう。



俺のROLEX OYSTER PERPETUAL DATEJUSTの針は、午前4時26分を指していた。


ちなみに俺は、時計の針をいつも10分進めているのだが。



陽子の部屋は、灯りが消えていた。


俺は、陽子の部屋の鍵を静かに開けた。