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3年ぶりに訪れる神戸の町は、やはり美しかった。
2年前の1981年。
神戸の街は、ポートピアという博覧会で賑わっていた。
ちょうど、そのとき。
俺は、自転車で神戸を訪れた。
本当なら、美佐と逢おうと約束した旅だった。
結局、俺は美佐に逢いに行かなかった。
しかし、今となっては、そんなこともただの笑い話だ。
俺たちは、神戸の街を並んで歩く。
もちろん、俺たちの手はつながっている。
そうしながらも俺は、ふと気付く。
そう。
この街は、沙樹が暮らす街だということに。
しかし、そんなことはもう、どうでもいいことだ。
俺は、そう思い直した。
横を歩く美佐の顔を、チラッと見る。
いつも穏やかに微笑んでいる美佐が、本当に愛おしい。
そして俺は、そんな美佐を裏切っているのだ。
ポートタワーから、神戸の海を見る。
初夏の日差しが、キラキラと反射していた。
山手の方に移動して、異人館をいくつか見て回る。
どこに行っても、美佐と一緒なら楽しかった。
俺は、今日はそのまま広島に帰るつもりだ。
この前と同じように、ホテルに泊まって美佐を抱きたかったが、毎回そういうワケにもいかない。
俺は、このあとどうしようか、と考えを巡らせていた。
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今日も俺は、美佐を抱くつもりだ。
美佐とは、たまにしか逢えない。
当然、俺は今日、美佐と愛し合いたかった。
そして、この抱きたいという感情が愛している証拠だ、と俺は思っていた。
こうなったらもう、ラブホテルに行くしかない。
しかし、神戸のどこにラブホテルがあるのだろうか?
俺は、美佐と神戸の街を歩きながら、必死でラブホテルを探していた。
もちろん、美佐に悟られないように、だ。
「ねぇ、ひろ…。なんだかそわそわしてない?」と、美佐が言った。
やはり、どうも俺の様子は怪しかったらしい。
「ふたりっきりに、なりたくて、さ」と、俺は美佐の耳元でささやく。
美佐は、頬を赤らめながら、小さい声でこう言った。
「ひろのバカッ」と。
15分後。
俺たちは、小さなラブホテルの小さな部屋の中にいた。
街のはずれにあるそのホテルの看板が、たまたま俺の目に入ったのだ。
ラッキー!
こうなったら、もう勢いでいくしかない。
俺は、もしイヤなら何もしない、と美佐を言いくるめ、ここまで来たというワケだ。
もちろん、何もしないつもりはないが。
落ち着いたフリをしていたが、初めてのラブホテルに、俺は舞い上がっていた。