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またか…。
俺は、少しがっかりしていた。
何で美佐と、いつもちゃんとホームで逢えないのだろう?
大したことではないのかもしれないが、あまり気持ちのいいことではない。
そのとき俺は、反対側のホームに美佐の姿を見つけた。
美佐が、俺に気づく。
俺は、苦笑いしながら手を振った。
ちゃんとホームで逢えたとき、俺たちの何かが変わる。
俺は、漠然とそんなことを考えながら、美佐のところへと向かった。
俺たちは、軽い食事を取ったあと、中之島公園に向かった。
すでに、大阪の街は春の陽気だった。
俺たちは、手をつないで大阪の街を歩く。
柔らかい日差しが、暖かくて気持ちいい。
俺たちは、公園のベンチに腰掛けながら、少し早い桜を見ていた。
「最近、良く逢えるよね。嬉しいな!」と、美佐は言った。
「うん。嬉しいよね」と、俺も応える。
今度、俺たちが逢えるのは、たぶん夏休みになるだろう。
そう考えると、俺は少し寂しい気がしたが、目の前には今、美佐がいるのだ。
今の時間を大切にしよう、と俺は思った。
それから俺たちは、ミナミに出て、ブラブラ街を歩いた。
俺は今日、美佐を抱くつもりだ。
時計の針は、午後4時26分を指していた。
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でも、どうしよう…。
その気はあっても、一体どうすればいいのか、俺には良く分からなかったのだ。
いきなりラブホテルに行くのは、イヤだった。
それに、俺自体がそんな場所に行ったこともないし、そんな場所に美佐をうまく連れ込む自信もなかった。
他の場所は?
いや、そんな場所が、あるはずもない。
どう考えても、今日は無理だ。
でも…。
俺は、作戦を変えることにした。
難波駅近くの喫茶店で、俺は今日何杯めかのコーヒーを飲んでいた。
美佐と話したいことは、確かにたくさんある。
しかし、俺は今日中に東京の新しい家に入らなければならなかった。
明日の朝一番で、引っ越し荷物が届くことになっていたからだ。
俺のシチズンアナログクォーツの針は、午後5時30分を回っていた。
「俺、そろそろ行かないと…」
「…うん。そうだよね…」と美佐は、寂しそうにうなずいた。
そして俺たちは、急いで新大阪駅に向かった。
地下鉄御堂筋線の電車の中で、俺は美佐の体を支えるように、そして優しく抱きしめる。
俺は、ドキドキしていた。
美佐も、恥ずかしそうに、俺から顔をそむけていた。
俺は、美佐の胸のふくらみを、自分の胸で感じていた。
そのとき俺は、美佐の胸の鼓動が高まる音を、確かに聞いたような気がしたのだ。