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映画学科の試験を、5日後に受けた。


出来たのか?出来なかったのか?


出来たつもりだが、落ちたばかりだ。


一次でも10倍という、倍率でいうとかなりの狭き門なのだ。


俺は、自信が持てないまま発表を待った。



2日後。


無事、一次を通過した。


翌日、二次試験の小論文と面接を受ける。


二次も、4倍の倍率だ。



ともあれ、入試は一旦終了だ。


運命の結果は、数日後。


あとは、もう何をどうしても、どうしようもないのだ。


大人しく結果を待とう、と俺は思った。



そして、2月14日。


俺は、2週間過ごした大塚のホテルを後にした。


朝9時すぎの新幹線で、京都に向かう。


美佐には、昨日の夜に、乗って行く新幹線と時間を伝えておいた。


荷物の多くは、昨日宅急便で送っておいたので、俺はバッグひとつの身軽な姿だった。



新幹線の中で、美佐のことを考える。


美佐の血液型って、ABだよな…。


俺は、ふとそんなことを思い出していた。


ABの女は、美佐しか知らなかった。


美佐との未来は、どうなっていくのだろう?


俺はまた、そんな考えても仕方ないことを考えていた。


いずれにしても今日、美佐に俺の気持ちをちゃんと伝えるのだ。


そして新幹線ひかりは、京都駅に到着した。


26

8号車に乗ってるから、と俺は美佐に伝えておいた。


ホームに降りたら、そこに美佐がいるはずだ。


2ヶ月半ぶりに、美佐と逢える。


俺は、ドキドキしていた。



京都駅の、ホームに降りる。


…美佐は、いなかった。


俺は、不安な気持ちを抱えながら、美佐の姿をホームや改札に探す。


美佐は、どこにもいない。


おかしい…。


美佐の身に、何かあったのだろうか?


俺は、心配性だ。


特に、大切なひとに関しては。


俺はいま、確かに美佐の大切さを実感していた。



俺は、取りあえず美佐の家に電話した。


お母さんの話によると、美佐は新大阪に行くと言っていたようだ。


俺は、少しホッとした。


美佐は、確かにそそっかしいところがある。


普段は、しっかりしているのに…。


まぁ、そこが美佐のかわいいところでもあるのだが。



俺はお母さんに、美佐から連絡があったら、そのまま新大阪の新幹線ホームにいるように伝えて欲しい、と頼んだ。


そして俺は、下りの新幹線に乗り込んで新大阪に向かった。


そのままホームにいてくれよ、美佐…。



新大阪に着いた俺は、ホームに飛び降りて、美佐を捜す。


…いない。どこにもいない。


俺は、ホームの冷たいベンチに座り込んだ。


どこにいるんだ? 美佐!