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気がつくと、日付は変わっていた。


1990年12月25日。


今年のクリスマスは、きっとずっと忘れられないクリスマスになるだろう。


陽子の部屋の狭いベッドで、俺たちはいつの間にか眠っていた。


陽子は俺の腕のなかで、静かな寝息をたてている。


裸の陽子のぬくもりと柔らかさを左手に感じて、俺はホッとする。


陽子の左手薬指に光る、ホワイトゴールドのリングを見つめる。


そして、自分の指にはめた同じデザインのリングをじっと見る。


俺は、思った。


今度こそ、この女を幸せにしたい、と。


俺はいま、確かに幸せだった。


しかし、それでも俺は冷静だったのだ。



今年、どれだけ色々なことが起こったか。


追いかけて、逃げられて。


愛して、愛されて、裏切られる。


決して、自分の思い通りにはならない。


それが、女の気持ちだ。


そして俺は、その時気付いたのだ。


愛は、与え続けるものだ。


結果を心配しても、何も良いことはない。


それならば俺は、ただ愛し続ければ良いのだ。


なるようにしかならない。


そんなもんだ。


俺は陽子を抱きしめながら、いま確かに感じている幸せを大切にしようと思った。


陽子とは、ずっと一緒にいられる。


その時は、そんな気がしていた。



恋愛小節1990


Copy right by 出雲裕雪



あとがき


『恋愛小説1990』をお読みいただき、ありがとうございました。


皆さんは、どんな感想をお持ちになったでしょうか?



この小説は、私が書いた初めての長編小説です。


2005年の8月に、ふとしたきっかけから書き始め、約4ヶ月の時間をかけて書き上げたものです。


通勤途中の電車の中や、ちょっとした暇を見つけては、ケータイで執筆しました。


引き続き、明日からは『恋愛小説1983』をアップしていきたいと思います。


これからも、どうぞよろしくお願いいたします!


出雲 裕雪



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