20
沙樹子が浴びるシャワーの音を聞きながら、俺はまだ、どうしようか悩んでいた。
抱くべきか、抱かざるべきか。
それが、いまの俺にとっての大問題だ。
シャワーの音が、止まる。
沙樹子は、バスローブ姿でシャワールームから現れた。
髪をアップにしている。
ヤバい!
いまの俺にとっては、あまりに刺激的すぎる姿だ。
俺は、思わず腰掛けていたベッドから立ち上がって、こうつぶやいた。
「…かわいすぎるよ、サッコ…」
「ばかっ…」
沙樹子は俺の横をすり抜け、恥ずかしそうに部屋の奥へと、小走りに逃げていく。
俺は頭を冷やすために、シャワーを浴びることにした。
ぬるめのシャワーを頭から浴びながら、俺はまだ迷っていた。
どうすれば、ふたりにとって一番いいのだろう。
これが遊びならば、考えるまでもなく結論は決まっている。
しかし…。
シャワールームから出た俺は、ベッドに横になって目を閉じている沙樹子の姿に見とれながら、まだ悩んでいた。
21
俺は、沙樹子のそばにゆっくりと腰を下ろす。
やはり今夜は、やめておこう。
そのほうが、きっといいんだ。
ゆっくりと立ち上がろうとした俺の手首を、沙樹子が引く。
えっ?
俺は驚いた。
「…そばにいて欲しいよ…」
俺は、寝ている沙樹子の上に重なりながら、ゆっくりとキスをする。
沙樹子は、ゆっくりと目を開いた。
そして、大きく息をついてこう言った。
「あたし初めてだよ…」
「…そんな気がしてたよ」
「…なんか…ドキドキしてきちゃった」
沙樹子のその言葉を聞いたとき、俺のブレーキは外れてしまった。
完全に…。
長いようで、短い夜が明ける。
俺たちは、お互いを確かめるように、しっかりと抱き合って眠った。