「僕、FBIなんですよね。信じてもらえないと思うけど。」

「そうなんですね〜」苦笑い。

「信じてないでしょ?手帳も持ってますよ。バッジ今取られてますけど。ちょっとやってしまって、、」

何となく終始胡散臭い話し方。正直会ったばかりのこの男の職業なんてそこまで興味はなかったから適当に流そうとした。
しかし、男の話は止まらず。

「間違えて関係のない人を拷問してしまったんですよね〜」


       !?


薬物取引をしている容疑者を同僚と2手に分かれて追っていた。結果、自分の追っていた人は無実。同僚が追っていた人の車のトランクから大量の薬物が出てきたそう。


彼が追っていたのは、ワッフルが大好きなおじさんだったそう。


ほぼ毎日同じ時間にキッチンカーのワッフルを食べるおじさんが居た。

怪しいと思いFBIを名乗る男は、尾行し続けた。

おじさんはキッチンカーでワッフルを購入し、毎回近くのテーブルで食べるそう。


おじさんなのに毎日のようにワッフルを食べてる。怪しいと思った。ワッフルを販売してる店員と薬のやり取りをしているのではないか。疑って尾行を続けた。


FBIを名乗る男は何とかワッフルおじさんと接触を試みた。とあるバーで隣の席に座った。

ワッフルおじさんからしたら、尾行されてた事は知らない為、彼はそこで初めて知った人だった。


彼はこのチャンスを無駄にしまいと一つ質問をしたそう。

「あなたは、ワッフルとジェラートだったらどちらが好きですか?」

ワッフルおじさん「ジェラートです。」


男はこの回答で確信付いたそう。あんなに毎日ワッフルを食べてるのに怪しい!これは黒だ!こいつが薬物取引をしている奴だ!!!!と。


は?みたいな話しだが、男は真剣に話している。

ワッフルおじさんが、自身の犯行について吐くまで拷問を続けていたそうだ。だがワッフルおじさんは何も知らないと言い続けたそう。

そんな中、同僚が追っていた人物が犯人だったと連絡が来た。


とんでもないミスをしてしまった。関係のない人を拷問してしまった。しかし、では何故あのバーであんなに食べているワッフルではなく、ジェラートの方が好きだと答えたのだろう。それが気になって最後にワッフルおじさんに質問したそう。


おじさんの答えはこうだった。


「だってあなたがジェラートが好きそうだったから。」


本当はワッフルの方が好きであった。

しかし、FBIを名乗る男がジェラートの方が好きなように見えて、気遣いで合わせてくれたそう。

なんて優しい可哀想なおじさん。。。


それで謹慎を言い渡され、FBIのバッジを取られたそうだ。だから日本に帰ってきたと。


本当かどうかは正直今でも分からない。ただ、ここまでのアホみたいな話を作り上げて手帳も用意してというのが嘘であってもそれは頭おかしい面白い人だと思って興味が湧いてしまった。


男はクラッチバッグを持っていたが、それにも訳がある。この前日本に帰ってきたばかりの時、胸ポケットにFBIの手帳を入れていたそう。バッグは持たないタイプだったと。


大阪の警察から、あなたの手帳が落とし物で届いているから取りに来て欲しいと電話があったそう。

警察署まで取りに行ったが、その際、これは偽物ではないのかと疑われ、取り調べで十何時間も拘束された。大変だったと。

何でそんなに時間が掛かったのかというと、FBIの本国と連絡を取るのに時間が掛かったからだと言う。結局確認が取れ偽物ではないからと返却してもらったが、また落として大変な目に遭わないようにクラッチバッグの中に入れるようにしたと。


FBIの手帳を見せてもらったが、本物を知らない私には真偽は分からなかった。

ただ、あなたがFBIでもFBIでなくてもどちらでも良いですとだけ伝えた。


その他にも。

俺は陰キャなんで〜と。あなたは陽キャですよね。とか。謎の自虐。私は春の新作のフラペチーノを飲んでいたが、フラペチーノなんて陰キャの僕には無理。陽キャの飲み物だと主張。よく分からない。甘いものが嫌いな訳では無いよう。


彼は、左耳にゴールドのフープピアスを付けていた。それに関しては、


父親に小2でピアス開けられた。

父親は×8。頭おかしい人だ。


終始変な世界観に巻き込まれた気がした。

その後次の予定があった為、解散となった。


この男、あってる時は崩れる事なく敬語を使う。


しかし、LINEではタメ口になる。何故かは分からない。


関わらなければ良いのに、作り話でもワッフルおじさんの話はアホすぎて面白く感じてしまった為、この男が癖になってしまったのか、後日飲みに行く約束が決まった。


そこでもトラブルが、、


当時私は京都に住んでいた。彼は新大阪住み。

高槻に飲み屋が沢山あると職場の人から聞いたから、丁度2人の住んでいる所の真ん中だから高槻で飲もうと言われた。



   

Part3に続く。